エナリス(東京都千代田区)は、サーラエナジー(愛知県豊橋市)が建設する太陽光発電併設型蓄電所「サーラ東三河蓄電所」の運用において、需給調整市場や容量市場での取引を行うことで合意した。10月4日に発表した。
同蓄電所は、電力系統からの充電に加え、太陽光設備を併設しており、太陽光による電力も充電できる。リチウムイオン電池を採用し、連携出力は1999kWで高圧配電線に接続し、容量は7520kWh(直流換算)。太陽光パネルの出力は700kW程度、パワーコンディショナー(PCS)の出力は650kW程度。
蓄電池と太陽光パネルは中国ジンコ・ソーラー製、PCSは中国ファーウェイ製を採用した。システム構築(インテグレーター)は、サーラエナジーが自社で行う。愛知県豊橋市にある「東三河バイオマス発電所」敷地内に建設し、2025年夏頃に本格稼働を開始する予定。
エナリスは、蓄電池および太陽光発電設備の制御システムを提供し、運用業務を代行する。同社子会社のエナリス・パワー・マーケティングを通じて系統受電および卸電力市場・小売電気事業者へ売電するほか、同社がアグリゲーターとして需給調整市場や容量市場に参加し、電力を供出する予定。
サーラエナジーにとって、建設中の「サーラ浜松蓄電所」に続く2カ所目の蓄電所建設プロジェクトになる。固定価格買取制度(FIT)やフィード・イン・プレミアム(FIP)を取得せずに運用する新設の再エネ併設型蓄電所は国内初という。
エナリスは、2016年から経済産業省のVPP実証事業に参画し、2018年に独自の分散型電源制御システムを開発。需給調整市場の前身とされる調整力公募からアグリゲーションとして電力を供出した実績があり、2024年度から需給調整市場で取引開始された一次調整力にも応札した。