山梨中央銀とNTTドコモ、オンサイトPPAで「太陽光+蓄電池」実証

山梨中央銀行とNTTドコモは10月2日、太陽光パネルや蓄電池、NTTドコモが開発したエネルギー管理システム(EMS)を活用したオンサイト型PPA(電力購入契約)モデルによる電力供給を実証すると発表した。実証期間は2025年3月31日まで。

 山梨県富士吉田市にある山梨中央銀行吉田支店の屋上に太陽光パネルを、敷地内に蓄電池を設置した。太陽光パネルの出力は37.35kW、予想年間発電量は約4万kWh。蓄電池の容量は57.5kWh(11.5kWh×5台)、パワーコンディショナー(PCS)出力は29.5kW(5.9kW×5台)。蓄電池の遠隔監視・制御にEMSを利用する。

 発電した電力は、同支店の一般電灯(建物内の一般照明や一般機器)に供給する(ATMや業務用エアコンは対象外)。使用電力の約30%を賄える見込み。余剰売電は行わない。また蓄電池は、停電時に電力供給することで事業継続計画(BCP)に活用できる。

 EMSは、蓄電池を遠隔から監視・制御するほか、各地点に分散配置された複数の蓄電池を電力調整量に応じて最適に選択・制御できるという。実証実験では、EMSの制御機能により電力需要のピークカットを行うことで、電気料金の低減や需給ひっ迫時の電力系統全体の安定化に関する効果を検証する。

 山梨中央銀行は、NTTドコモから供給された電力を同支店内で使用し、電気料金や温室効果ガス排出量の低減効果を検証する。NTTドコモは、太陽光パネルによって発電・蓄電された電力をEMSによって遠隔制御しながら、同支店に供給するための機器動作の検証や、将来的なオンサイトPPAの本格展開を見据えた計量・課金システムを検証する。

 NTTドコモでは、2023年4月から山梨県域を中心にVPP(仮想発電所)実証実験に取り組んでいる。山梨県では米倉山の次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ「Nesrad(ネスラド)」・NTTドコモの無線基地局1カ所・ドコモショップ1店舗に、他県でも研究施設1カ所・無線基地局4カ所に蓄電池を設置し、一括制御の実験を行っている。吉田支店に設置した蓄電池も同実験に参加する。

 ドコモの開発したEMSは、全国約300カ所に展開する再生可能エネルギーを活用した「グリーン基地局」や電力会社からの要請に応じて節電に取り組むデマンドレスポンス(DR)などに活用されている。

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